型取りもデジタルの時代へ
・TRIOS3(3Shape社)のもたらす印象の革命
技術の進歩は、長足です。銀塩のフィルムは今やデジタルカメラが主になり、車も、ガソリン内燃機関から、EV(電気自動車)が主流になる時代ももうすぐです。
歯科の世界でも、CAD/CAM技術を使用した修復物の作製などで、そういったデジタル技術の恩恵を受けつつあります。
歯医者の治療は、受ける患者側からすると嫌なことが多いですが、その一つに歯型の型取り(印象)があります。口の中にトレーを押し込まれ、型取り材を大量に挿入し、固まるまで耐えていなければなりません。寒天・アルジネート連合印象やシリコンラバー印象などが一般的ですが、硬化時間が2分から5分とかかり、特に嘔吐反射が強い人には大変なストレスです。
今回、導入したTRIOS3は、先端に高解像度のカメラがついており、その部分でお口の中で写真を撮れば、そのまま、3次元的な歯の情報がコンピューターに保存されます。上下顎、それぞれにスキャンして、最後にかみあわせた状態の写真を撮れば、コンピューター上でかみあわせも再現されます。そのまま、技工所にデータを送信すれば、CAD/CAM技術によって、被せもの、詰め物を作ることができ、2週間もすれば、実物が納品されるのです。
今までと違うのは、型取りの苦痛がなくなったことだけではなく、石膏模型も作りません。バーチャルなデジタル空間での作業だけで製作できるのです。
デジタルで3次元的な情報が把握されますから、型取りのし直し(再印象)もなくなります。
患者さんに最高の快適性を提供し、負担を軽減させる先端技術にご期待ください。
このシステムは、CAD/CAMで製作される修復物にのみ対応可能で、鋳造によって製作される金属修復物(メタルクラウン、メタルボンド冠)には適応できません。これらの修復物は、従来通りの型取りが必要になります。