竹田晋也氏著
「歯を守れ! 予防歯科に命を懸けた男
・日吉歯科診療所 熊谷 崇の挑戦」を
読んでみました

竹田晋也氏著 「歯を守れ! 予防歯科に命を懸けた男・日吉歯科診療所 熊谷 崇の挑戦」(牧野出版)を読んでみました。
私が予防歯科を目指した時の事が思い出されました。
歯の修復治療中心に明け暮れ、少しでも精度の高い被せ物を入れようと努力していましたが、手入れが悪いと、元々虫歯や歯周病になりやすいから治療が必要になっているわけですから、当然のごとく壊れてより悲惨な口腔になります。治療だけでは救えない!その前に予防だと確信したのです。
そこで、真っ先に日吉歯科を見に行きました。火曜日に日吉歯科に電話して熊谷先生とお話して、その週の土曜日には、山形県酒田市の日吉歯科でセミナーに参加していました。そして、翌月曜日には、唾液検査を始めていたという次第です。以来、北浦の千ヶ崎歯科は3年かけて予防歯科に変貌させました。2003年、予防歯科の恩恵を多くの人に享受してもらいたくつくば市で熊谷型の予防歯科 つくばヘルスケア歯科クリニックを開設しました。
14年のときを経て、少しは熊谷先生の志に近づけたかと思っています。
この本は、今年初めてテレビ東京のカンブリア宮殿で放送された番組のプロデューサーである竹田氏が取材の過程を書き綴ったものとのことです。
全く先入観なしで熊谷先生に会って、竹田氏自身も日吉歯科で行われている予防歯科を目の当たりにする様が描かれています。この本を読んで、私が17年前に初めて日吉に触れて感じた歯科医療に対する感動を思い起こさせてくれました。35年かけて、熊谷先生は今に至ったわけですが、私たち後輩は、熊谷先生が教えてくれた方法を実践すればいいだけです。やるべき事をすればいいとすれば、10年、15年あれば、形をつくることは出来ると思いました。
やるべき事とは、治療中心の歯科医療から、予防中心の歯科医療への転換です。
残念な現実としては、未だに、保険制度のもと、痛いところ、壊れたところをすぐ直してほしいと来院するケースが多すぎます。熊谷先生は、応急処置以外は口の中がきれいに管理出来るようにならないと治療しません。これは、徹底しています。私の医院では、そういうニーズの人も可哀想だから希望は叶えてあげてますが、治療の悪循環で結局歯を失うことを理解させる事が出来ないのが力不足で残念です。
14年前に比べると、最初から定期管理を希望して検査に来院する方は増えてはいますが、国民全体の意識は低いと言わざるをえません。
医院の目標に
つくば市で予防歯科の受け皿の模範となるべく努力する とあります。
この本を読んで、ぶれない事が一番大切だと思いました。
これからも患者利益を最大限に予防歯科を充実させます。