シリーズ 妥協しない最新治療の実践(1)
虫歯診断の新兵器 DiagnoCam(KaVo社)

痛みがある、穴が空いているなど明確な主訴があるとき、虫歯だと診断することは簡単です。
それは、虫歯が見えるからです。
問題は、本人も気づいてない、症状もない初期の虫歯や穴は空いていないが、深く進行している虫歯をどう発見し、診断するかです。
予防歯科を長くやっていると、多くの方が定期管理でメンテナンスに来院されます。レントゲンで虫歯の存在は認識されているものの、無症状で穴も空いていなければ、リスクコントロールしながら経過を見つつ予防プログラムを実践し、虫歯の進行を抑制しようとするのですが、時として、見逃しによって、大きな虫歯として発見され、予防で来院されている患者さんのご期待に答えられない事態も発生することがあります。
見逃しと言っても、多くの場合、微妙な歯質の変化などはあり、注意深く見ることができていれば発見される可能性が高いですが、虫歯の進行度や深さをもう少し客観的に見ることができないかと常々考えていました。
昨年秋にKaVo社より発売されたDiagnoCamは、歯の頚の部分より赤外光を投射し、その透過光をデジタルカメラで撮影する診断器で、虫歯の広がりを陰影として捉えることができます。