■2016年7月8日【検証項目】 成人のメンテナンス効果・歯周病予防は、生涯を通じた健康な歯を守り育てることに役立っているか? |
■つくばヘルスケア歯科クリニック臨床データからの考察■ 当クリニックでの歯周病メンテナンスの効果についてデータを分析しました
以前、現在年齢40歳以上で、2011~2013年に毎年少なくとも1回以上のメンテナンスに応じた患者 1429人(初診からの平均7.2年、メンテナンス期間平均6.2年)について、年齢階層別現在歯数を調べた結果を掲示した。 今回は、さらに、直近の2013~2015年に同じように年に1回以上はメンテナンスに応じた患者1838名(初診から平均8.2年、平均メンテナンス期間7.2年)の集団について追跡調査を行った。 これらを2011年実施の歯科疾患実態調査から得られた年齢階層別現在歯数と比較した。(横軸:年齢・縦軸:残存歯の数) ![]() これを見ると、歯科疾患実態調査の結果では、年齢とともに残存歯は減少し、80歳で12本しか歯が残っていないことがわかります。 一方、当医院に来院後、定期的なメンテナンスケアを継続して受けて来た患者さんは、直近の2013~2015(緑)のデータ、2011~2013年のデータともに、明らかに年齢とともに失う歯の本数が少なくなっていることがわかります。 このように、当医院でのメンテナンスは、歯を残すために十分に成果がでていると言えるでしょう。 次に、歯周病の病状の変化はどうなっているかデータを見てみます。 歯周病の特徴は、ポケットが深いこと(特に深さ4mm以上のポケットの存在)とそこか らの出血があるかないかで重症度を見極めます。 ![]() 初診時のポケット深さの分布ですが、年齢が増すごとに4mm以上の深いポケットの割合が増加し、全体では、12%、40歳以上では、15%が重症な患者さんです。その中で、歯周病の治療を受けた人は、深いポケットの割合が5%未満に減少していま。手遅れのポケットでない限り、継続したメンテナンスで深いポケット内の細菌を取り除く努力をしていれば、歯周病を悪化させることを阻止できます。 ![]() さらに、歯周ポケットからの出血は、現在歯周病の活動性があって、危険なことを示す兆候ですが、BOP(Bleeding On Probing:ポケット検査時のポケットからの出血)は、初診時、30%以上の部位から出血した人が30%はいましたが、メンテ時には、数%に減少しました。 メンテナンスでは、4mm以上のポケット深さの割合が10%以下、BOPの割合が10%以下にすることを目標としていますが、多くのケースでは、この数字が達成されていることがわかります。
2016年修正 つくばヘルスケア歯科クリニック 臨床データ |