■2014年2月27日【検証項目】 成人のメンテナンス効果・歯周病予防は生涯を通じた健康な歯を守り育てることに役立っているか? |
■つくばヘルスケア歯科クリニック臨床データからの考察■ 【結論】歯周病の予防管理を当クリニックで継続して受けていると、自分の歯が一般的な人より多く残っている。また、歯周病の治療により、病的なポケットの割合は減少し、ポケットからの出血も少なく維持できることがわかった。 現在年齢40歳以上で、2011~2013年に毎年少なくとも1回以上のメンテナンスに応じた患者 1,429人について、年齢階層別現在歯数を調べた。 また、初診時40歳以上の全患者4,016人についても、同様の調査を行った。 これらを1999年、2011年実施の歯科疾患実態調査から得られた年齢階層別現在歯数と比較した。 ![]() これを見ると、歯科疾患実態調査の結果では、年齢とともに残存歯は減少し、1999年(赤)と2011年の比較では、2011年(青)の方が残存歯の数は増えているものの、傾向は変わらないのがわかります。 一方、初診で来院した4000名余のデータ(紫)を見ると、ほぼ2011年歯科疾患実態調査に類似しています。 当医院に来院後、定期的なメンテナンスケアを継続して受けて来た患者(緑)は、明らかに年齢とともに失う歯の本数が少なくなっていることがわかります。 このように、当医院でのメンテナンスは、歯を残すために十分に成果がでていると言えるでしょう。次に、歯周病の病状の変化はどうなっているかデータを見てみます。 歯周病の特徴は、ポケットが深いこと(特に深さ4mm以上のポケットの存在)とそこからの出血があるかないかで重症度を見極めます。 ![]() 初診時のポケット深さの分布ですが、年齢が増すごとに4mm以上の深いポケットの割合が増加し、全体では、12%、40歳以上では、15%が重症な患者さんです。その中で、歯周病の治療を受けた人は、深いポケットの割合が5%未満に減少していま。手遅れのポケットでない限り、継続したメンテナンスで深いポケット内の細菌を取り除く努力をしていれば、歯周病を悪化させることを阻止できます。 さらに、歯周ポケットからの出血は、現在歯周病の活動性があって、危険なことを示す兆候ですが、 ![]() BOP(Bleeding On Probing:ポケット検査時のポケットからの出血)は、初診時、30%以上の部位から出血した人が30%はいましたが、メンテ時には、数%に減少しました。 メンテナンスでは、4mm以上のポケット深さの割合が10%以下、BOPの割合が10%以下にすることを目標としていますが、多くのケースでは、この数字が達成されていることがわかります。 |