■2014年2月12日【検証項目】
この医院で行ってきた虫歯予防のメンテナンスは効果をあげて来たか?

■つくばヘルスケア歯科クリニックのデータから■
開設して11年が経過しようとしています。
開院以来、すべての患者のデータをデータベースに入力してきました。
10年を経過した段階で、果たして、この医院で行ってきた虫歯予防のメンテナンスは効果をあげて来たのでしょうか。

口腔写真1 口腔写真2 口腔写真3


【結論】つくばヘルスケア歯科クリニックで定期管理を受けている子供は、歯科疾患実態調査と比較して、虫歯の数が少なく、カリエスフリー率が高かった。 また、定期管理を始める年齢が5歳未満の子供たちの方が、5歳以降で定期管理を始めた子供たちよりも結果が良かった。
以上のことから、当クリニックで行っている虫歯予防のための定期管理は、虫歯予防に有効であり、さらに、予防管理は年齢が早ければ早い程、効果が高いこともわかった。




<1> 長期メンテナンス患者におけるDMFT(虫歯の数)の推移
調査方法
2013年の1年間につくばヘルスケア歯科クリニックにメンテナンスで来院した19歳以下の患者1314名を対象とした。その内訳は、男性618名、女性696名で、男女比に差はなかった。尚、ここで選択された定期管理患者とは、初診よりその患者に予定されたメンテナンスを70%以上受けてきた患者とした。

調査多異種尾の患者 男女別年齢分布



患者をその中で、5才以前より来院している人、5才以降より来院している人のそれぞれの状況を、2011年に実施された歯科疾患実態調査(684人)の結果と比較した。 定期メンテナンス患者、定期で5才以前より来院している人、定期で5才以降より来院している人、いずれも歯科疾患実態調査よりも低いことがわかる。 特に、5歳未満で歯科医院で定期管理を開始した子供ほど、虫歯の数が抑えられていることがわかる。

DMFTの年齢変化比率



また、虫歯ゼロ率(カリエスフリー率)の年齢変化を比較すると、当クリニックで、定期管理している子供は、一般の歯科疾患実態調査に比べて、カリエスフリー率が高かった。12歳以上では5歳以降に定期管理している子供では、歯科疾患実態調査と差が見られないものの、5歳未満から定期管理している子供では、顕著に良好な値を維持していた。 データの中で、15歳のデータが大きく変化しているが、これは、この世代の患者数が極端に少ないため、誤差が大きいためと思われる。

カリエスフリー率の年齢変化





<2> 定期管理によるう蝕の増加との関連性 ※グラフをクリックで拡大されます

調査対象 分布 調査対象
定期管理によるう蝕予防効果を調べるために、観察期間を
(1)5~8才 (2)6~12才 (3)12~18才までのそれぞれのう蝕の増減を調べた。対象者は、少なくとも1年未満に1回はメンテナンスに応じている者とした。

各年齢群は
・5~8歳:256人
・11~15歳:131人
・16~20歳:33人であった。
 
(1)5~8歳のdft変化 (1)5~8歳のdft変化
全体のdftの増加は平均2.8であり、うち8才時におけるカリエスフリー者は132人で、カリエスフリー率は38%である。

5才時、カリエスフリーだった者が新たなカリエスをつくってしまった者の割合は17%であった。
 
(2)6~12歳のDMFT変化 (2)6~12歳のDMFT変化
全体のDMFTの増加は平均0.85であり、歯科疾患実態調査の1.4を下回る。また12才時におけるカリエスフリー者は88人で、カリエスフリー率は80%である。
6才時、カリエスフリーだった者が新たなカリエスをつくってしまった者の割合は15%であった。
 
(3)12~18歳のDMFT変化 (3)12~18歳のDMFT変化
全体のDMFTの増加は平均0.64であり、歯科疾患実態調査の1.4を下回る。また18才時におけるカリエスフリー者は13人で、カリエスフリー率は46%である。
12才時、カリエスフリーだった者が新たなカリエスをつくってしまった者の割合が7%であった。